風邪をひいたときの六カ条
まず、万病の元と古くからいわれてきた「風邪」です。
風邪をひいたときには、多くの人が総合感冒薬、いわゆる風邪薬に頼りがちです。
しかし、序章でも述べたように、根本的に風邪に効く薬は発明されていないのです。
さらに、最近はアスピリンなどの医薬品に対する弊害も指摘されています。病院の医師の中にも、風邪には抗生物質や解熱剤をほとんど使わないという方も多くなっているのです。
その理由は、抗生物質では風邪は治らないし、解熱剤も薬が切れればまた熱が出てくるということです。
風邪の治療には、次の六箇条をお勧めします。
1、温かい水分を摂取する(飲めない時は、少量ずつ回数を多く取る)
2、温かい消化の良いものを食べる(食欲の無い時は、無理に食べない)
3、体を休め、十分な睡眠をとる
4、高熱のときは排便をする
5、自然に治るのを待つ
6、症状に不安がある時は、医師の診察を受ける
風邪をひいているときの腸内細菌のバランスを調べると、「悪玉菌」が優勢になっていることがわかります。
そのため、「善玉菌」優勢の腸内バランスを取り戻す事が、風邪を治すためにはいちばんの早道になるのです。
特に熱の高い時は排便をすることです。
発熱という現象は、咽頭炎などの患部の炎症以外は、ほとんどが腸の炎症なのです。
排便には悪玉菌を排泄し、腸内細菌のバランスを正常化するという意味があります。
浣腸で便を出したり、市販のフラクトオリゴ糖などを、大人の場合は50グラムほどを180ccのお湯に溶かして(子どもはその半分くらい)、空腹時に飲むと30分ほどで便が出て、熱が下がることもあります。
またオリゴ糖には、乳酸菌類の仲間であるビフィズス菌のエサとなり、ビフィズス菌のみを増殖させる働きもあります。
腸内細菌のバランスを考えると、体力をつけさせようと思ってタンパク質や脂質を食べさせることは、かえって逆効果になります。
よけいに熱が高くなったりするのです。
やはり、風邪をひいたときには、おかゆ、梅干しなど、お腹の調子が悪いときに食べても良い物をとることです。梅干しに含まれるクエン酸は殺菌作用があり、腸内の「悪玉菌」を抑制し、「善玉菌」の繁殖を助けます。
咳や鼻水の対策としては、レンコン、ショウガ、大根などの根菜類の搾り汁やスープ、味噌汁を飲み、自然に止まるのを待つことです。
子供の咳や鼻水が二〜三日続くと、多くの方から電話がありますが、鼻水は排毒作用の一つです。
昭和四〇年代までは、あおっぱなを垂らしている子供が多く見られましたが、今は薬で止めてしまうことが多いようです。
もっと自分の体を癒す力(自然治癒力)を信じましょう。
しかし、いちばん大切なことは、のどがイガラっぽい、寒気がする、頭が重いなどといった風邪をひく前の危険信号を無視しないことです。
とくに小さな子どもさんには、食欲が無いときや、あまり元気が無いときの、お母さんの細かい配慮が必要です。少し調子が悪いときは食生活と排便に気をつければ、熱もあまり出ずに比較的早く治ります。